「ここにドアをあけてもいい? 外が見える窓もつくりたい!」
大きな段ボール箱が家にとどいたら、それは工作の現場のはじまりです。少し計画を立て、道具をいくつかそろえ、切るところはおとなが引き受ければ、中にすわれる家にも、運転できる車にも、くぐりぬけるトンネルにもなります。つくりながら、子どもはものをつくる人と同じ力を使います。できあがりの形を思いうかべる、測る、どの面をどこに向けるか考える、うまくいかないところを直す、といった力です。
この記事では、ひとつのアイデアを本物の作品にしていく手順を、順を追ってしょうかいします。通販や大きな家電の、しっかりした箱が向いています。ほかに、マスキングテープか梱包用テープ、えんぴつ、定規かメジャー、仕上げ用の絵の具、クレヨン、シールがあれば十分です。
まず計画を立てる
何かを切る前に、子どもといっしょにすわって、何をつくるか決めましょう。
- 先に絵をかく。 紙にさっとかいたスケッチで十分です。ドアはどこか、窓はどのくらいの大きさか、タイヤはどこにつけるか。
- 箱をいろいろな向きから見る。 どの面を前にする? どのふたを残して、どれを内側に折り、どれを切りとる?
- 大きさをたしかめる。 空の箱に子どもにすわってもらいます。入れるかな? 屋根をつけてもまだ入れるかな?
- いるものを短くメモする。 箱をもう少し、テープ、タイヤ用の紙皿、トンネル用の懐中電灯など。
計画を立てると、ものごとがゆっくり進みます。それがいいところです。子どもははさみにさわる前に、できあがりを頭の中に思いうかべ、くるくる回して考えはじめます。
測って線を引く
測ることは、計画が本物の箱と出会う場面です。
- 定規やメジャー、手のひらを広げた長さで、ドアの幅を決めます。
- 子どもに箱の横に立ってもらい、肩の高さにしるしをつけます。窓をつけるならそのあたりが便利です。
- 切る前に、切る線をすべてえんぴつかペンでかいておきます。コップやお皿をあてれば、丸窓やタイヤの円がきれいにかけます。
- 2回測りましょう。「ドアの幅、肩が通るくらいあるかな? 切る前にたしかめよう。」
紙の上のまちがいは何も失いません。段ボールでまちがえると別の箱をさがすことになりますが、それもいい学びです。
切るのはおとなの仕事
厚い段ボールは切りにくく、カッターナイフは子どもの道具ではありません。線をかくのと、箱をしっかりおさえるのは子どもに、切るのはおとながやりましょう。
- 大きい子なら、おとながそばにいれば、子ども用の安全なはさみでうすい厚紙を切れます。
- ドアは一辺を切らずに残すと、本物のドアのように開け閉めできます。
- まっすぐ折りたいときは、スプーンの柄や定規のふちで先に線をつけてから折ります。
- できあがったら、とがったところやステープラーの針がないか見て、ざらざらしたふちはテープでおおいます。
家、車、トンネル
箱ひとつか数こでつくりやすい作品を三つしょうかいします。
| 作品 | すること | 子どもが考えること |
|---|---|---|
| 家 | ドアと窓を切りぬき、ふた2枚か別の段ボールで屋根をつくる | どの面を部屋の内側に向けるか、外を見るには窓がどのくらいの大きさならいいか |
| 車 | 上の面をとり、紙皿のタイヤ、ハンドル、シートベルトがわりのひもをつける | タイヤがまっすぐならぶにはどこにつけるか、どちらが前か |
| トンネル | いくつかの箱の両はしをあけ、テープで一列につなぐ | 長くするには箱がいくつ必要か、曲がり角や窓はどこにつけられるか |
トンネルは力を合わせるのにぴったりです。ひとりが箱をまっすぐならべておさえ、もうひとりがつなぎめにテープをはります。横に窓をあけておくと、小さな子もとちゅうで光が見えて安心です。
飾って、ためして、よくする
飾りつけで、作品は子どもだけのものになります。家にはレンガをかき、車にはライト、トンネルの屋根には星を。それから、ためしてみましょう。
- ドアはしまったままになる? 屋根はへこまない? だれかがくぐったときトンネルがはずれない?
- 「もっとじょうぶにするには、どこを変えたらいいかな?」と聞いてみましょう。テープをふやす、段ボールをもう1枚かさねる、折りめをつけるなどで、たいていは直ります。
- 作品を何日かとっておき、だんだん変えていきましょう。家に庭ができたり、車がトレーラーを引いたり。
| だいたいの年齢 | ためしてみること |
|---|---|
| 3〜4歳 | かんたんなトンネルをはいはいでくぐる。クレヨンやシールで飾る。ドアをつける場所を指さす |
| 5〜6歳 | かんたんな計画の絵をかく。手のひらで測る。ドアと窓のある家 |
| 7〜8歳 | 定規で測る。タイヤがまっすぐならんだ車。箱3〜4こでトンネル |
| 9歳から | 方眼紙に縮尺をそろえた図をかく。子ども用はさみでうすい厚紙を切る。作品を集めて小さな町にする |
年齢はあくまで目安で、子どもによってちがいます。
Dologiの「くうかん」のテーマには「ずの とおりに つもう」というパズルがあり、上から見た図にそれぞれのマスに積む立方体の数が書かれていて、子どもは図に合うつみ方を選びます。箱で工作するときに使う、図と本物の形をむすびつける力と同じです。
まとめ
- まず計画。作品をスケッチして、箱をいろいろな向きから見ます。
- 切る前に線をすべて測ってかき、厚い段ボールはおとなが切ります。
- 家、車、トンネルは、大きさ、面、位置について考えるきっかけになります。
- 飾って、ためして、よくする。作品はその後の数日でさらに変わっていきます。
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