お店に通学かばんが2つあります。「これがいい!」「どうして?」「だって、いいんだもん」。子どもはたいてい、すぐにえらびます。それも、目にとまった1つのとくちょう、たとえば色や前についている絵だけで。
色が好きなのは少しも悪いことではありません。でも、くらべることは学ぶ価値のある力です。2つのものをとくちょうごとに見て、ほんとうに大事なことを決め、えらんで、その理由を言えること。練習にいちばんよいのは、うまくいかなくてもこまらない小さなえらびごとです。
ステップ1:ちがうところを見つける
2つをならべて置き、2つの質問をします。「同じところは?」「ちがうところは?」
同じところは、わきに置いてかまいません。どちらのかばんにもかたひもが2本あるなら、かたひもはえらぶ助けになりません。えらぶときに考えるのは、ちがうところです。
子どもは、ちがいを1つ見つけるとそこで止まりがちです。どこを見ればよいかを言葉にして、先へ進む手助けをしましょう。大きさ、重さ、色、ポケット、あけ方、手に持った感じ。
| 青いかばん | 赤いかばん | |
|---|---|---|
| 大きさ | 大きなファイルが入る | ファイルがはみ出す |
| 重さ | 重い | 軽い |
| ポケット | 2つ | 4つ |
| あけ方 | ファスナー | とめ具 |
小さい子は、ちがいを声に出して言うだけで十分です。大きい子は、自分で表を書きたがるかもしれません。
ステップ2:大事なことを決める
すべてのちがいが同じ重みではありません。「このかばんは何に使うの?」とたずねます。
いっしょに、大事なことを2つか3つえらびます。通学かばんなら、たとえばこうです。
- ファイルが入ること。
- 自分であけしめできること。
- いっぱい入れても重すぎないこと。
「ぜったい必要」と「あったらうれしい」を分けると考えやすくなります。そう、色をリストに入れてもかまいません。目的は、大人と同じようにえらばせることではありません。自分が何をもとにえらんでいるのかを、子ども自身が分かっていることです。
ステップ3:たしかめて、えらぶ
リストを見ながら、1つずつたしかめます。
| 大事なこと | 青いかばん | 赤いかばん |
|---|---|---|
| ファイルが入る | はい | いいえ |
| 自分であけられる | はい | はい |
| 重すぎない | いいえ | はい |
どちらかがすべての行で勝つことは、あまりありません。それがふつうで、いちばんおもしろいところです。「この中で、いちばん大事なのはどれ?」。子どもが決めて、文をさいごまで言います。「こっちにする。なぜなら……」
この文こそが、ほんとうの目的です。理由のあるえらび方は、説明でき、話し合うことができ、次はもっとよくできます。
毎日の中で練習できること
- 午後のおやつを2つのうちから。
- 図書館で、1冊しか借りられないときの2冊。
- 公園まで歩く2つの道。
- おばあちゃんへのプレゼントの2つの案。
| めやすの年齢 | やってみること |
|---|---|
| 4〜5歳 | 2つをならべる。同じところを1つ、ちがうところを1つ言う。えらんで理由を1つ言う |
| 6〜7歳 | ちがいを3つか4つ見つける。いちばん大事なものを言う |
| 8〜9歳 | 大事なことを2つか3つ決めて、それぞれをたしかめる |
| 10歳から | ねだんや、どのくらい長く使えるかも入れる。3つをくらべる |
年齢はあくまでめやすです。子どもによってペースはちがいます。
おうちの方へのコツ
- 受け入れられるものだけを出します。 どちらのかばんでもよいのなら、えらぶのはほんとうに子どもになります。
- 自分の好みへみちびきません。 質問をして、判定は心の中にしまっておきます。
- あとで、やさしくふり返ります。 「かばん、気に入っている? 次は何をたしかめたい?」。「だから言ったでしょう」は言いません。
- すべてのえらびごとに表はいりません。 アイスの味なら、さっと決めてかまいません。いつくらべる手間をかけるかを知ることも、力の一部です。
Dologiの「しゅうちゅう」には「まちがいさがし」パズルがあります。2まいの絵をくらべて、かわったところをタップします。とくちょうごとに、1つのものからもう1つのものへ目をうつす、同じていねいな見方の練習です。
まとめ
- 2つをならべます。同じところはわきに置き、ちがうところを見ます。
- 大事なことを2つか3つえらびます。子どもが大切に思うこともふくめます。
- それぞれをたしかめて、「こっちにする。なぜなら……」とさいごまで言います。
- 毎日の小さなえらびごとで練習し、あとでやさしくふり返りましょう。
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