「3歩進んで、左にまがって、箱をあける」。子どもが言われたとおりにすると、かべの前に立っていました。どこかの手じゅんがまちがっています。それを見つけることをデバッグといいます。プログラムをおかしくする「虫(バグ)」をさがし出すことを、プログラマーはこうよぶのです。
デバッグは、子どもが練習できる考える力の中でも、とくに役に立つものです。起きるはずだったことと、本当に起きたことをくらべ、一歩ずつたしかめ、はじめからやりなおすのではなく原因を直します。そして、とても楽しくできます。
子どもにとってのデバッグ
かんたんに説明しましょう。「バグは、手じゅんの中のまちがいのこと。デバッグは、それがどこにあるか見つけて直すことだよ」。
まちがいはまったくふつうのことだと、はっきり伝えましょう。宝の地図をかく子どもも、コンピューターのプログラムを書く大人も、手じゅんを書く人はみんなまちがえます。大切なのはまちがえないことではなく、落ち着いてまちがいを見つけることです。
遊び1:バグ入りの道案内
かくしたおもちゃまでの道案内をします。わざとひとつだけまちがいを入れておきます。
- 部屋のどこかに小さなおもちゃをかくす。
- 道案内をする。たとえば「ドアの横に立つ。前に4歩進む。右にまがる。クッションの下を見る」。
- ひとつの手じゅんをまちがえる。たとえば本当は「左」なのに「右にまがる」と言う。
- おもちゃが見つからなかったら、「どの手じゅんがまちがっていたと思う?」と聞く。
スタートにもどって、ゆっくり一歩ずつやりなおしてもらいます。どこからおかしくなるかに気をつけながらです。バグが見つかったら直して、おもちゃを見つけます。
遊び2:じゅんばんがおかしい習かん
よく知っている毎日のことは、バグさがしにぴったりです。どうなるはずか、子どもが分かっているからです。
- 「くつをはいて、それからくつ下をはく」
- 「歯みがきをして、それから歯ブラシに歯みがき粉をつける」
- 「シリアルを食べて、それから牛にゅうを入れる」
手じゅんを読み上げて、子どもに問題を見つけてもらいましょう。そして直してもらい、新しいじゅんばんならなぜうまくいくのか説明してもらいます。おかしなバグは子どもを笑わせ、笑いは子どものやる気をたもってくれます。
遊び3:マス目の上の矢印
小さなマス目(4×4で十分)をかき、スタートのマスと星をかきます。
- 矢印で道を書く。右、右、下、右、下。
- 道の中にまちがった矢印をひとつ入れる。
- 子どもは指か小さなおもちゃで矢印をたどり、どこで道をはずれるか見つける。
大きい子は、自分で矢印の道を書いて大人に出すこともできます。バグをかくしても、かくさなくてもかまいません。大人は見つけられるでしょうか。
バグを見つける一歩ずつの方法
どんなバグにも使える、かんたんな方法を教えましょう。
| ステップ | 聞くこと |
|---|---|
| 1. どうなるはずだった? | 「どこに着くはずだった?」 |
| 2. 本当はどうなった? | 「どこに着いた?」 |
| 3. 一歩ずつたどる | 「この手じゅんのあと、まだ全部合ってる?」 |
| 4. 最初のまちがいを見つける | 「ここからおかしくなった」 |
| 5. ひとつだけ直して、もう一度ためす | 「これでうまくいく?」 |
大切なのは、あてずっぽうで直したり、全部をいっぺんに変えたりせず、最初におかしくなった手じゅんを見つけることです。ひとつだけ変えてもう一度ためせば、その直し方でよかったかが分かります。
失敗ではなく、バグ
デバッグは、子どもがまちがいをどう感じるかを変えます。うまくいかないとき、「ぼくはだめだ」ではなく「バグはどこ?」と考えるようになるのです。
- 「バグ」ということばを、軽く楽しく使いましょう。「おっと、どこかにバグがいるね。さがそう!」
- 直せたことだけでなく、さがしたことをほめましょう。「一つ一つの手じゅんを、ていねいにたしかめたね」。
- 大人のバグも話しましょう。「買いものメモのじゅんばんがばらばらで、お店を2周しちゃった」。
Dologiの「つまった はぐるま」パズルでは、回らなくなったはぐるまの組み合わせを見て、どのはぐるまを取りのぞけばほかがまた回るかを見つけます。本当の問題がどこにあるかをつきとめて解く、小さなデバッグです。
まとめ
- デバッグとは、手じゅんをおかしくしている一歩を見つけて直すことです。
- 道案内、毎日の習かん、矢印の道で「まちがいさがし」をして遊びましょう。
- 方法を教えましょう。はずだったことと起きたことをくらべ、一歩ずつたどり、最初のまちがいを見つけ、ひとつだけ直してためします。
- まちがいを見つけるべきバグと考えると、子どもは落ち着いて、好奇心をもったまま取り組めます。
あわせて読みたい:子どもと学ぶ「くりかえし」と「条件」:なわとびと歌で
