「どっちのコップのほうがジュースが多い?」「こっち。」「どうして?」「なんとなく。」
子どもは、説明できるようになる前に答えが分かっていることがよくあります。「〜だと思う。なぜなら…」と理由をつける練習をすると、ただの思いつきが、人に伝えたり、たしかめたり、よくしたりできる「考え」に変わります。いつも正解することではなく、どうやってそこにたどり着いたかを見せることが大切です。
理由が大切なわけ
- 考え方が見える。 理由を聞くと、子どもが何に気づき、どうつなげたかが分かります。
- まちがいが見つかりやすい。 理由を声に出すと、まちがった一歩に、子どもも大人も気づきやすくなります。
- 人に聞いてもらいやすい。 「晴れているから、公園に行こうよ」のほうが、「公園に行きたい」より伝わります。
- 学校のじゅんびになる。 どうやって問題をといたかを説明するのは、算数、理科、作文の大事な部分です。
答えだけでなく理由をほめる
答えのあとに大人が何と言うかで、子どもは何が大切かを学びます。小さな言いかえが役に立ちます。
| こう言うかわりに… | こう言ってみる |
|---|---|
| 「正解!」 | 「どうやって分かったの?」 |
| 「ちがうよ。」 | 「どうしてそう思ったか教えて。」 |
| 「かしこいね!」 | 「コップのほうが背が高いのに気づいたんだね。いい理由だね。」 |
| 「いいからやって。」 | 「どうしてこうするのか、当ててみて?」 |
答えが合っているときも、ときどき理由を聞きましょう。そうしないと、「どうして?」は「まちがえたよ」という意味だと子どもが思ってしまいます。
「〜だと思う。なぜなら…」という言い方
子どもに、うめるだけのかんたんな型をわたしましょう。「〜だと思う。なぜなら…」。大人も1日に何度も使ってみます。
- 「かさがいると思う。なぜなら、雲が黒いから。」
- 「ねこはおなかがすいていると思う。なぜなら、ごはんのお皿のそばにすわっているから。」
冷蔵庫にカードではっておく家族もいます。そのうち子どもも自分から使うようになり、「なんとなく」が本当の理由に変わっていきます。
弱い理由と強い理由
理由にもよしあしがあり、大きい子はそれを見分ける練習ができます。
- 強い理由は、見える、たしかめられる、もう知っていること。「雨がふると思う。空が暗くて灰色だから。」
- 弱い理由は、答えをちゃんとささえていないもの。「雨がふると思う。ふってほしいから。」
自分の好みなら、「好きだから」は立派な理由です。事実について言うときは、たしかめられる何かが必要です。「どうやったらたしかめられるかな?」と聞くと、弱い理由から強い理由へ進みやすくなります。
「ほかにも理由はある?」
子どもが理由を一つ言ったら、**「ほかにも理由はある?」**と聞いてみましょう。一つの答えにいくつもの理由がありうることが分かり、もっと深く考えるきっかけになります。植木の葉がしおれているのは、水が足りないからかもしれないし、まどぎわが暑すぎるからかもしれません。どちらが合っていそう?どうやってたしかめる?
毎日できる遊び
- 「なぜなら」つなぎ。 「犬はいいペットだ」のような文を一つ決め、順番にちがう理由を一つずつ言います。だれも思いつかなくなったら、新しい文にかえます。
- どっちがいい?どうして? 「鳥と魚、なれるならどっち?どうして?」まちがった答えはなく、あるのは理由だけです。
- なかまはずれ、自由えらび。 4つのものを見せて、なかまはずれだと思うものを子どもにえらんでもらいます。理由を説明できれば、どれをえらんでも正解です。
- 小さな探偵。 手がかりを一つ出して(「ドアのそばに、どろの足あとがある」)、「何があったと思う?どうして?」と聞きます。
理由がまちがっていたとき
まちがった理由は、いっしょに考えるいいチャンスです。そこで終わりにする必要はありません。
- 説明してくれたことにお礼を言う: 「どう考えたか教えてくれて、ありがとう。」
- いっしょにたしかめる: 「たしかめてみよう。2つのコップを同じ入れものにうつして見てみよう。」
- 考えをかえていいと伝える: 「今はどう思う?どうして?」新しく分かったことで考えをかえるのは、上手に考えている証拠で、負けではありません。
年れい別のアイデア
- 4〜5さい: ふだんの生活の中で「どうしてそう思うの?」と聞き、かんたんな理由をそのまま受けとめます。
- 6〜7さい: 「〜だと思う。なぜなら…」を練習し、「どっちがいい?どうして?」で遊びます。
- 8さいくらいから: 弱い理由と強い理由について話し、理由を二つ以上さがし、いっしょにたしかめます。
まとめ
- 理由は子どもの考え方を見せてくれます。それは正解よりも大切です。
- まちがえたときだけでなく、正解のときも理由を聞きましょう。
- 「〜だと思う。なぜなら…」と「ほかにも理由はある?」を毎日使いましょう。
- 理由がまちがっていたら、いっしょにたしかめ、考えをかえてもいいと伝えましょう。
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