子ども向けのプログラミングあそびの多くは、手順を並べることです。まえに進む、まえに進む、左に曲がる。でも本物のロボットは、ちがう動き方をすることがよくあります。そうじロボットは、リビングの間取りをあらかじめ知っているわけではありません。「なにかにぶつかったら、曲がる」といったルールにしたがって動いています。人間ロボットごっこなら、紙とえんぴつとクッションがいくつかあるだけで、この2つめのプログラミングを子どもが体験できます。
ひとりがロボット役になります。ほかのみんなは、ロボットのルールを書きます。ロボットは、ルールに書かれたことを、そのとおりに、それ以上でもそれ以下でもなく行います。おもしろさは、ここからはじまります。
あそびかた
- ロボット役は、へやの中をゆっくり歩き、紙に書かれたルールにしたがってだけ動きます。予想はしませんし、手助けもしません。
- プログラマー役(お子さん、または家族みんな)は、ロボットが動きだす前にルールを書きます。ロボットが動きだしたら、見ているだけです。
- ルールは、すべて同じ形です。「〜のとき、〜する」。たとえば「目の前にかべがあるとき、右に曲がる」。
はじめのロボット役は、大人がおすすめです。子どもは、大人に指示を出すのが大すきだからです。あとで役を交代して、ルールをそのとおりに守るのがどんな気もちか、お子さんにも味わってもらいましょう。
へやの準備
- かべ: クッション、まくら、たたんだ毛布を、ゆかに一列にならべます。いすやソファもかべとして数えます。
- ルールの紙: 1まい、ルールは1行に1つずつ。まだ字が読めない子は絵でかけます。クッションの絵と、右にカーブする矢印、というように。
- 安全: ロボットはゆっくり歩き、走りません。階段やとがったかどの近くには行きません。
「ロボット、スタート!」と言うと、ロボットは、べつのルールが当てはまるまで、1歩ずつ前に進みます。
はじめに試すルール
まずは1つか2つのルールからはじめて、みんながやりかたをつかんだら、ふやしていきましょう。
| 〜のとき | 〜する |
|---|---|
| 目の前にかべがあるとき | 右に曲がる |
| 目の前に人がいるとき | 手をふる |
| タオルの上に立っているとき | 1回ジャンプする |
| それいがいのとき | 1歩前に進む |
最後の行は「それいがい」のルールです。ほかのどのルールにも当てはまらないとき、ロボットがすることを決めます。これがないと、ロボットはどうしたらいいかわからず、ただ立ちつくします。多くの子が、自分でこのことに気づきます。プログラムに「それいがいぜんぶ」のルールがなぜ必要なのか、話しあうのにぴったりの場面です。
ルールの順番が大切な理由
こんどは、クッションのかべのすぐ前に人を立たせてみましょう。目の前にはかべがあり、人もいます。ロボットは、どのルールにしたがうでしょうか。
かんたんなきまりを1つ決めます。ロボットはルールを上から読んで、はじめに当てはまったものにしたがう。 そして、2つの行を入れかえてみましょう。
- 「かべ→右に曲がる」が先だと、ロボットは手をふらずに向きを変えて行ってしまいます。
- 「人→手をふる」が先だと、ロボットは手をふって、そのままずっと手をふりつづけます。人がまだ目の前にいるからです。
同じルールでも、順番がちがうと結果がちがうことが、子どもにも見えてきます。「どっちの順番がいい? どうして?」とたずねてみてください。この問いかけは、プログラマーが毎日していることそのものです。
ロボットが動けなくなったら
そのうちロボットは、すみっこに入ってぐるぐる回りつづけたり、ルールに書かれていないソファにまっすぐ進んでしまったりします。お子さんの代わりになおさないでください。かわりに、こうたずねましょう。
- 「いまロボットは、どのルールにしたがっていた?」
- 「ロボットがまちがえたのかな。それとも、ルールになにかたりなかったのかな?」
- 「ぬけだせるように、なにをたしたり変えたりできる?」
それからルールを1つだけ変えて、もう一度ロボットを動かします。こんなふうにまちがいを見つけてなおすことを、デバッグといいます。あそびがうまくいかなかったしるしではありません。いちばん役に立つところです。
年れいに合わせたアレンジ
下の年れいは、おおよその目安です。子どもは一人ひとりちがいます。
- 4〜6歳: 絵でかいた1つか2つのルール。大人がロボット役になって、まちがいをおもしろくします。
- 7〜9歳: 3つか4つのルールと「それいがい」。台所のドアまで行く、などのゴールをロボットに出し、かべのならべかたはお子さんにまかせます。
- 10〜12歳: ロボットを同時に2体。おたがいのことを決めるルール(「前にロボットがいるとき、待つ」)や、できるだけ少ないルールでゴールするチャレンジ。
Dologiの「ロボットの へや」(「つくる」コーナー)も、同じしくみです。お子さんは、へやの中の小さなロボットのために「〜なら」のルールを書き、ルールの順番を決め、「それいがい」のルールをたして、再生ボタンをおして動きを見ます。おうちで人間ロボットごっこをしたことのある子は、このしくみにすぐ気づくことが多いです。
まとめ
- ひとりがロボット役になり、ほかの人が「〜のとき、〜する」のルールを書き、ロボットはそのとおりに動きます。
- クッションがかべになります。字が読めない子は、ルールを絵でかけます。
- ロボットは、はじめに当てはまったルールにしたがうので、ルールの順番で結果が変わります。
- ロボットが動けなくなったら、ルールを1つずつ変えてもう一度。それがデバッグです。
