「さんすうなんてきらい!」この言葉は、長い一日の終わり、なかなか終わらない計算ドリルの前でこぼれることが多いものです。算数がどれだけ大切かを説いたり、「いいからやりなさい」と返したくなったりしますが、どちらもあまり助けになりません。6〜12歳ごろの子どもにとって、「さんすうがきらい」は数そのものがきらいという意味であることはめったにありません。多くの場合、算数のどこか一部分がいやなのです。急がされること、まちがえること、わからなくなること。
この記事では、その「一部分」を見つけ、プレッシャーを少しやわらげ、だれも点数をつけない場所で、お子さまがもう一度数と出会えるようにするヒントをお伝えします。
直す前に、まず聞く
宿題の最中ではなく、おだやかな時間を選びましょう。ひらかれた質問をして、答えには反論せずに受け止めます。
- 「さんすうで、いちばんいやなところはどこ?」
- 「さんすうがいやだなと思うのは、学校、テスト、おうち、どんなとき?」
- 「さんすうで、すきなところはある?」
そのうえで、手がかりを探します。同じひとことでも、ずいぶんちがう悩みがかくれていることがあります。
| お子さまの言葉 | 考えられる背景 | 助けになること |
|---|---|---|
| 「つまらない」 | 問題がやさしすぎる、同じ練習のくり返し | もう少し難しい課題、パズル、生活の中の問題 |
| 「おそいからいやだ」 | 時間を計るテスト、友だちとの競争 | 時計なしで練習する、ていねいにやったことをほめる |
| 「ぼくは算数がバカなんだ」 | まちがえることへのおそれ | まちがいは失敗ではなく手がかりと考える |
| 「長すぎる」 | 手順が多い、文章題が長い、つかれている | 課題を小さく分ける、短い時間で区切る |
| 「わからない」 | もっと前のところにつまずきがある | その段階にもどって、物や絵で確かめる |
ご自身で気づくこともあるでしょう。早く終わらせようとあわてる、一度まちがえるとぜんぶ消してしまう、「テスト」という言葉で固まってしまう、といった様子です。
プレッシャーを減らす
家庭でのちょっとした工夫で、算数のまわりの緊張は意外と早く軽くなります。
- 時間を短く。 集中した10分は、涙の40分よりずっと意味があります。まだうまくいっているうちに終わりにしましょう。
- ストップウォッチは使わない。 速さは、わかって自信がついたあとに自然についてきます。今は、ていねいに考えたことをほめましょう。「答えを確かめたんだね、いい考え方だよ」
- まちがいは情報。 答えがちがったら、「どうやってその答えになったの?」と聞いてみましょう。やり方はほとんど合っていて、小さなミスだけということもよくあります。いっしょにそれを見つけるほうが、正しい答えを教えるより役に立ちます。
- できる問題から始める。 宿題は、お子さまがきっとできる問題を1つ解くところから始めます。
- ひとつ前にもどる。 難しすぎると感じるときは、前の段階にもどって、ボタンやコイン、絵を使って組み立て直します。
あそびで数を取りもどす
学校の算数がきらいな子でも、プリントも点数もなければ、数を楽しめることがよくあります。毎日の生活でできるアイデアです。
- サイコロあそび。 サイコロを2つふって、目の数をたします。合計が大きいほうがそのラウンドの勝ちです。または、ふった目をたしながら50をめざす競争にして、ゴールにちいさなごほうびを用意します。
- お買い物。 お子さまにメモを持ってもらい、お会計の前に合計を予想してもらいます。「3つ買うよ、1つ200円くらい。だいたいいくらになるかな?」
- 料理。 お客さまが来るからレシピを2倍に、2人分だから半分に、スプーンを数える、ピザを同じ大きさに切り分ける。
- トランプ。 数の大きさをくらべる、2枚で10を作る、同じ数のペアを探す。
- 見当をつける。 「このお皿にぶどうは何つぶあるかな? まず予想して、それから数えよう」
目的は、こっそり練習を増やすことではありません。数っておもしろいな、楽しいこともあるなと感じてもらうことです。そうすれば、次の宿題が少し軽くなります。
言葉づかいに気をつける
子どもは、大人が算数についてどう話すかから、多くのことを受け取ります。
- 「うちはみんな算数が苦手なの」や「わたしも算数がきらいだった」は避けましょう。子どもには「じゃあ、できなくても当たり前なんだ」と聞こえるかもしれません。
- 「あなたは数字に向いていないね」といったレッテルは避けましょう。力は練習で伸びていきます。
- 「まだ」を使ってみましょう。「この問題はまだできないね。やり方を探そう」。むずかしさは一時的なものだと伝わります。
- 速さや「頭がいい」ことではなく、努力とやり方をほめましょう。
ご自身が算数に苦手意識があっても大丈夫です。「ちょっと自信がないな、いっしょに考えてみよう」と言うことで、大人もすぐに答えがわかるとは限らず、それでいいのだという大切なことが伝わります。
先生に相談するタイミング
きらいな気持ちが何か月も続く、ほとんど毎晩算数で泣いてしまう、ある分野で大きくおくれているように見える。そんなときは、先生に相談しましょう。先生は教室でのお子さまの様子を見ていて、しっかり身についている力と助けが必要な力を教えてくれます。学びや心の健康について、もっと広い心配がある場合は、自分で決めつけず、学校や専門家に相談してください。
Dologiの「さんすう」のパズルは短く、まちがえても赤く表示されることはありません。もう一度挑戦してみようと声をかけられるだけです。こんなおだやかな数分間が、算数をテストのように感じにくくする助けになるお子さまもいます。
まとめ
- 「さんすうがきらい」は、速さ、まちがいへのおそれ、長い課題、つまずきなど、ひとつの嫌な部分を指していることが多いです。
- おだやかに質問して耳をかたむけ、本当の悩みに合った手助けをします。
- 短い時間、タイマーなし、まちがいは手がかりとして扱うことで、プレッシャーを減らします。
- サイコロ、お買い物、料理、トランプで数を取りもどし、算数はだれでも伸ばせるものとして話します。
