「たして10になる2つの数は?」「5と5!」その通りです。そして多くの子は、終わったことに満足してそこで止まります。でも10は、6と4、7と3、9と1でもあります。答えをひとつ見つけるのはすばらしいこと。そのうえで、ほかにも答えがあるかもしれないと知り、それをさがすことは、年を重ねるほど大切になる考え方の習慣です。
この記事では、その習慣について話します。最初のやり方で止まらないこと、そしていくつかの解き方をくらべて、いちばん合うものを選ぶことです。
子どもが最初の答えで止まる理由
- ほっとするから。 答えが見つかると「終わった」気持ちになり、それは気持ちのいいことです。
- 答えがひとつの質問が多いから。 子どもが聞かれる質問の多くは、正解がひとつです。「これは何色?」「いくつある?」。子どもは、その答えを見つけるのが自分の仕事だと学びます。
- まちがえるのがこわいから。 最初の答えが正しかったなら、別の答えをさがすのはこわく感じることがあります。
どれも、それ自体は悪いことではありません。ただ、もうひとつステップを足したいのです。「ほかのやり方はある?」
よい答えがいくつもある身近な問題
ふだんの生活は、解き方がいくつもある問題であふれています。いっしょにさがしてみましょう。
- 学校(または公園)へ行く3つの道。 どの道を通れる?歩く、自転車、バス?道ごとに色を変えて、かんたんな地図をかいてみます。
- ケーキを4人で分ける3つの方法。 十字に切って4つに。細長く4本に。8つに切って、ひとり2つずつ。どれも公平かな?
- 本だなを整理する3つの方法。 大きさ順、色ごと、内容ごと。どれも理にかなっています。
- 買いものを運ぶ3つの方法。 重いふくろひとつ、中くらいのふくろ2つ、リュックとふくろ。
やり方は子どもに考えてもらいましょう。大人の役目は、「ほかには?」と聞き続けることです。
どのやり方がいちばん?それは何のため?
いくつか解き方が出たら、くらべてみましょう。「いちばんいい」は、そのとき何を大切にするかで変わることがよくあります。
| 公園への道 | いちばん速い? | いちばん安全? | いちばん楽しい? |
|---|---|---|---|
| 大通りを行く | はい | 交差点が混む | あまり |
| 細い道を通る | 少しおそい | 静か | ねこが見られる |
| 川ぞいの道を行く | いちばんおそい | 車が通らない | カモがいる! |
聞いてみましょう。「おくれそうなときは、どの道にする?晴れた日曜日なら?」子どもは、いつもひとつだけ「いちばん」があるわけではなく、目的しだいで変わることを学びます。
算数でのいろいろなやり方
算数は、この習慣を練習するのにぴったりです。
- ひとつの数をいろいろな方法で作る: 「2つの数で8を作る方法は何通り?」(4と4、5と3、6と2、7と1、8と0)。ぜんぶ見つけた?どうして分かるの?
- ひとつの計算をいくつかの方法で解く: 9 + 6 は、9から数えたしてもいいし、「9はあと1で10、だから10 + 5 = 15」でも、「10 + 6 = 16、そこから1ひく」でもできます。
- 2つめの方法でたしかめる。 ちがう方法で同じ答えになれば、子どもは自分の答えにもっと自信が持てます。
どのやり方がいちばんかんたんだったか話してみましょう。子どもによって好きなやり方はちがいますし、それでいいのです。
「もうひとつのやり方」の習慣
- まちがえたあとではなく、できたあとに聞く。 「できたね!ほかのやり方も見つけられる?」なら、注意ではなくチャレンジに聞こえます。
- 先に集めて、あとでくらべる。 どれがいちばんかを話す前に、やり方をひとつずつ書いたり、絵にかいたりします。
- 毎回は聞かない。 答えはひとつで十分なときもあります。子どもには、ただ「できた」というよろこびも必要です。
- 大人の考え方を見せる。 「こっちの道で行こうと思ったけど、いま別の道を思いついたよ…」
Dologiの「ろんり」のテーマにある「ちずを ぬろう」のパズルでは、となりあう国がちがう色になるように、すべての国をぬります。ある色がうまくいかなくても、たいていほかにためせる色があり、最初の考えで止まらない練習になります。
まとめ
- 多くの問題には、よい解き方がいくつもあります。「ほかのやり方はある?」と考える習慣を育てましょう。
- 道、分け方、整理、運び方など、身近な問題をいっしょにさがしましょう。
- 解き方をくらべて、どの目的にどれがいちばん合うか話しましょう。
- 算数では、数をいろいろな方法で作り、2つめの方法で答えをたしかめましょう。
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