すべての記事

創造的思考:子どもが「ほかのやり方」を見つける力を育てる

花、ロボット、しまもようの風船。

子どもが学校で出会う質問の多くは、答えがひとつです。3 + 4は7。でも、くらしの中で出会う問題には、いい答えがいくつもあることがよくあります。ひみつ基地をどうつくるか、友だちのたんじょう日に何をつくるか、クッキー3まいを4人でどう分けるか。創造的思考とは、ひとつよりたくさんのやり方をさがす習慣で、ほかの考える力と同じように、練習で育っていきます。

創造的思考とは

創造的思考は、よく4つのしるしで説明されます。

しるし 意味 例
アイデアがたくさん 多くの可能性を思いつく だんボール箱の使いみちを10こ
いろいろな方向のアイデア ちがう向きに広がる考え 箱がふね、ぼうし、たいこ、おもちゃの家になる
めずらしいアイデア ほかの人があまり思いつかない考え 箱がタイムマシンになる
くわしくする アイデアをさらにふくらませる タイムマシンにはレバーと時計とおやつの引き出しがある

4つが一度にそろう必要はありません。どれかひとつでも、気づいてあげる価値があります。

とじた質問を、ひらいた質問に

質問を少しかえるだけで、いくつもの答えを引き出せます。

とじた質問 ひらいた質問
「これは何色?」 「この色のもので、何がつくれるかな?」
「これはまる?」 「この部屋で、まるをいくつ見つけられる?」
「5 + 5は?」 「10をつくる方法には、どんなものがある?」
「お話、おもしろかった?」 「お話は、ほかにどんな終わり方ができたかな?」
「これで合ってる?」 「ほかのやり方もあるかな?」

たくさんのアイデアを出すあそび

  1. ほかに何になる? 紙コップのような身近なものを見せます。ほかに何になるかな? ぼうし、電話、たいこ、小さな植木ばち。
  2. 部屋をわたるいろいろな方法。 部屋のはしからはしまで、何通りの行き方がある? けんけん、ハイハイ、うしろ歩き、つま先歩き……。
  3. しばりのある工作。 積み木10こで、いちばん高いタワーをつくれるのはだれ? 紙1まいで、おもちゃの車をのせられる橋がつくれるかな?
  4. 絵のつづき。 ぐるぐる線をかいて、子どもに何かの絵にしてもらいます。次は交代します。
  5. もしも?「もしも動物が話せたら?」「もしも雨が上にふったら?」。アイデアを行けるところまで追いかけます。
  6. ミックス発明。 かさと自転車のように、2つのものを選んで、それを合わせた発明を考えます。何ができる? だれが使う?
  7. 答えがいくつもある算数。「たして10になる数の組を、ぜんぶさがそう」「正方形4つで、ちがう形をいくつつくれる?」。

大人がアイデアの居場所をつくるコツ

  • 先に集めて、あとで選ぶ。 どれがいちばんいいか決める前に、アイデアをぜんぶ書いたり言ったりします。早く判断しすぎると、アイデアが止まってしまいます。
  • へんてこなアイデアを歓迎する。 へんてこなアイデアがいいアイデアにつながることはよくあり、いっしょに笑うとアイデアが出つづけます。
  • 何もない時間を残す。 すべての時間に予定はいりません。ゆったりした時間とシンプルな材料が、発明のすきまをつくります。
  • 「ほかには?」と聞く。 最初のアイデアのあとに、もうひとつ、さらにもうひとつと聞きます。
  • 大人がためす姿を見せる。 何かをやってみて、なおして、もう一度やってみるところを子どもに見せましょう。
  • 過程をほめる。「3つのちがうやり方をためしたね」は、「すごく発想ゆたかだね」より多くを伝えます。

発想ゆたかに、ていねいに

アイデアをたくさん出すのは半分です。のこりの半分は、どのアイデアがうまくいくか確かめること。アイデアを出しきったら、いっしょにひとつ選んでためしてみましょう。橋は車をのせられた? 箱のふねはういた? 発想する力とていねいに考える力は、ならんで使うといちばんよくはたらきます。

まとめ

  • くらしの中の問題には、いい答えがいくつもあることがよくあります。
  • 創造的思考は、たくさんのアイデア、いろいろな方向のアイデア、めずらしいアイデア、くわしくすることにあらわれます。
  • ひらいた質問、「ほかに何になる?」あそび、しばりのある工作が練習になります。
  • 判断する前にアイデアを集め、いちばんいいものをいっしょにためしましょう。

あわせて読みたい:子どもの問題解決力:毎日の小さな困りごとで練習する4つのステップ