「分かった?」「分かった!」5分後、子どもは最初のステップで止まっています。よくある場面ですが、正直かどうかの問題ではありません。小さな子は、本気で分かったと思っていることが多いのです。まだ自分の分かり方をたしかめる方法を知らないからです。
この力には名前があります。メタ認知、つまり自分の考え方について考えることです。自分が何を知っていて何を知らないか、何がむずかしいか、どんなやり方が役に立つかに気づくことをいいます。子ども時代を通してゆっくり育つ力で、家庭でのかんたんな習慣で支えることができます。
メタ認知とは
メタ認知には、たとえば次のようなことがふくまれます。
- 自分が知っていることを知る: 「たし算はできるけど、ひき算はまだむずかしい」。
- こんがらがったときに気づく: 「待って、ここが分からない」。
- やり方を選ぶ: 「絵にかいてみよう」「まず小さい数でためそう」。
- あとでふり返る: 「うまくいった?次はどうする?」
こうしたことができる子は、どこに力を入れればいいか分かるので、学び方が上手になりやすいのです。
信号の色でふり返る
自分の分かり方をふり返るかんたんな方法は、信号の色を使うことです。
| 色 | 意味 | 次にすること |
|---|---|---|
| 青(緑) | 「分かった。だれかに説明できる」 | 説明してみる、もっとむずかしい問題にちょうせんする。 |
| 黄 | 「分かった気がするけど、自信がない」 | もうひとつ例をためす、ひとつのステップをたしかめる。 |
| 赤 | 「止まっちゃった。まだ分からない」 | やり方を選ぶ、または助けを求める。 |
宿題やパズル、新しい遊びのあとに「今、何色?」と聞いてみましょう。まちがった答えはありません。赤は役に立つ情報で、失敗ではありません。
説明しなおしてもらう
分かっているかをたしかめるいちばんの方法のひとつは、ほかの人に説明することです。
- 「どうやったか、教えてくれる?」 好奇心いっぱいの生徒になって、質問しましょう。
- はずかしがるときは、ぬいぐるみを生徒にします。
- ぬけている所に耳をすませます。 「それで、えっと…こうするの」となったら、そこがいっしょに見なおしたい所です。
子どもは説明しようとするうちに、自分が分かっていない所に気づくことがよくあります。その気づきこそが大切なのです。
子どもが自分にできる質問
いくつかの質問で、子どもが心の中の声を育てられるよう手伝いましょう。
- 取りかかる前: 「何をすればいい?前に、にたことをしたことがある?」
- とちゅう: 「このやり方でうまくいってる?ここまでの答えはなっとくできる?」
- 終わったあと: 「どうやってできた?何がいちばんむずかしかった?次はどうする?」
はじめは大人が声に出して聞きます。だんだんと、子どもが自分で自分に聞くようになります。
行きづまったと気づいたら
「止まっちゃった」と気づいても、次に何をすればいいか分かっていなければ役に立ちません。小さな「道具箱」をいっしょに用意しておきましょう。
- もう一度、ゆっくり読む、または聞く。
- 絵にかく、 または物を使う。
- もっと小さい、かんたんな例でためす。
- 少し休んで、 またもどる。
- 具体的に質問する: 「どうして1くり上がるのか分からない」のほうが、「分からない」より役に立ちます。
Dologiには、子どもが行きづまったときに使える「ヒント」ボタンがあります。「もうヒントがいるかな?」と決めることが、自分の分かり方をたしかめる小さな時間になります。
まとめ
- メタ認知とは、自分の考え方について考えること。分かっていることと分かっていないことに気づく力です。
- 取り組んだあとは信号の色でふり返り、赤を役に立つ情報として受けとめましょう。
- 子どもに説明しなおしてもらい、ぬけている所に耳をすませましょう。
- 前・とちゅう・あとの質問を練習し、行きづまりからぬけ出す道具箱を用意しましょう。
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