「ちょっと待って!」「あと5分ね」「もうすぐ着くよ」。子どもは一日じゅう時間のことばを耳にしますが、時間そのものは目に見えません。しかも大人は、10秒でも30分でも「ちょっと」と言ってしまいます。1分が本当はどれくらいなのか分からない子が多いのも、ふしぎではありません。
時間の感覚は、経験から育ちます。何かをして、どれくらいかかるか予想して、たしかめる。砂時計や時計、楽しいチャレンジを使ったかんたんな方法を紹介します。
子どもにとって時間がむずかしいわけ
- 目に見えない。 長さや重さとちがい、時間は手にとれるものを残しません。
- 感じ方が変わる。 待っている1分は長く、遊んでいる1分は短く感じます。大人も同じです。
- ことばがあいまい。 「あとで」「もうすぐ」「ちょっと」は、そのたびに意味がちがいます。
- 時計はそのあと。 時計が読めることと、5分がどれくらいか分かることは、別の力です。
時間を見えるようにする
- 砂時計。 砂が落ちるのを見ると、時間が目に見えるものになります。1分の砂時計は、短いチャレンジにぴったりです。
- キッチンタイマー。 いっしょにダイヤルを回して、鳴るのを待ちます。
- 歌。 覚えている短い歌は、分かりやすい単位になります。「おかたづけは歌2曲ぶんくらいだね」
- 毎日の生活。 いつものことにどれくらいかかるかを話しましょう。「お店まで歩いて10分くらいだったね」
1分チャレンジ
かんたんな遊びを選び、1分で何回できるか子どもに予想してもらってから、タイマーで試します。
| チャレンジ | まず予想 | それから数える |
|---|---|---|
| なわとび | 何回とべる? | いっしょに数える |
| 手をたたく | 何回たたける? | 声に出して数える |
| つみ木のとう | 何こ高くつめる? | つみ木を数える |
| 自分の名前を書く | 何回書ける? | 名前を数える |
| くつ下をはく | 両方はける? | 鳴ったときにたしかめる |
予想と結果をくらべましょう。「10回だと思ったのに、50回もたたけたね! 1分って思ったより長いね」。別の日にもう一度やって、予想が近づくか見てみましょう。
1分の長さを体で感じる
- 「ストップ」と言う。 タイマーをスタートして目をつぶり、1分たったと思ったら「ストップ」。だれがいちばん近かった?
- 1分じっとする。 思ったよりずっと長く感じます。次に1分おどると、あっという間。どうしてか話してみましょう。
- 60まで数える。 秒針がぐるっと1周するのを見ながら、いっしょにゆっくり数えます。
もっと大きな単位:5分と10分
1分になれてきたら、少しずつ広げましょう。
- 5分 は、おもちゃを片づけたり、着がえたりするくらいの時間です。「あと5分」と言うときはタイマーをセットして、約束を守りましょう。
- 10分 は、短い散歩や、ねる前の絵本1〜2さつぶん。
- 1時間 はむずかしいので、毎週の生活の中で1時間くらいかかること、たとえば公園で遊ぶ時間などと結びつけます。
「あと5分でおふろだよ」と前もって知らせるときは、子どもに見えるタイマーをセットしましょう。時間を感じやすくなり、切りかえも楽になります。
年れい別のアイデア
年れいはだいたいの目安です。子どもによってちがいます。
- 4〜5さいごろ: 砂時計、数えるのを手伝う1分チャレンジ、「前」と「あと」のことば。
- 6〜7さいごろ: チャレンジの前に予想する、「ストップ」遊び、タイマーつきの「あと5分」。
- 8さいごろから: もっと長いことの時間を予想する、予想と時計をくらべる、宿題や工作にどれくらいかかりそうか計画する。
まとめ
- 時間は目に見えず、大人は時間のことばをおおざっぱに使うので、子どもには時間を感じる経験が必要。
- 砂時計、タイマー、歌、毎日の生活で、時間を見えるようにする。
- 1分チャレンジで遊ぶ。まず予想して、数えて、くらべる。
- 5分、10分へと広げ、「あと5分」と言ったら約束を守る。
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