2つの本のやまのあいだに紙を1まいわたして、まん中にコインを1まい置いてみてください。たいていの場合、紙はすぐにたわんで落ちてしまいます。次に、同じ紙を扇のようにおってもう一度ためすと、10まい、20まい、それ以上のコインをのせられることもよくあります。同じ紙、同じコインなのに、結果はまるで別物です。
この「おどろき」こそが、紙の橋チャレンジが5歳から12歳ごろのお子さんの家庭実験にぴったりな理由です。ほとんど道具がいらず、30分ほどでできて、技術者が毎日使っている大きな考え方につながります。ものの形は、材料そのものと同じくらい大切だということです。
用意するもの
- 紙: ふつうのコピー用紙(A4)を同じ種類で数まい。毎回同じ紙を使うと、公平にためせます。
- 本のやま2つ: 同じ高さにして、定規1本ぶんくらいはなして置きます。
- 同じ種類のコイン: または金属のワッシャーなど、同じ重さの小さなおもり。なんでも口に入れてしまう年齢のお子さんの手が届かないように気をつけてください。
- あると便利なもの: セロハンテープ、定規、結果を書き込む紙。
どの手順も、お子さん自身でできます。保護者の方の役目は、質問をすることと、毎回同じ条件でためせるように見守ることです。
まず予想する:平らな紙
いちばん単純な橋、つまり平らな紙を1まい、すき間にわたすところから始めます。何か置く前に、こう聞いてみましょう。「コイン、何まいのると思う?」
そのあと、紙のまん中にコインを1まいずつ置き、声に出して数えます。橋がたわんでコインがすべったり、紙が落ちたりしたら終わりです。最後にのった数を書きとめましょう。平らな紙だと、数はとても少なく、0まいや1まいのことも多くて、おどろくお子さんがたくさんいます。
お子さんに、何が起きたか話してもらいましょう。「どこが先に曲がった?」「まん中?それとも、はし?」
いろいろな形をためす
ここからは毎回新しい紙をわたして、形だけを変えるようにすすめます。ためしてみたい形の例です。
| 橋の形 | 予想 | のったコインの数 |
|---|---|---|
| 平らな紙 | ||
| 両はしを上におりあげた形(雨どいのように) | ||
| 扇おり(おり目が、片方の本のやまからもう片方へ向かう) | ||
| 細いつつを何本か作って、ならべたもの | ||
| 扇おりの上に、道路がわりの平らな紙をのせたもの |
小さいお子さんは、形を1つ選んで、平らな紙より「多い」か「少ない」かを予想するだけでも十分です。大きいお子さんは、数を予想して、あとで結果とくらべてみましょう。
扇おりは、少し考える時間が必要なことが多いです。おり目は、すき間にそってではなく、すき間をまたぐように、片方の本のやまからもう片方へ走らせます。お子さんがちがう向きにおったとしても、そのままためさせてあげてください。同じおり目が、ある向きではうまくいき、別の向きではうまくいかないことに気づくのも、大切な学びです。
おり目が紙を強くする理由
平らな紙はとてもうすいので、上からおされると簡単にたわんでしまいます。紙をおると、その一部が立ち上がって、はし(へり)の向きになります。紙はこの向きだとずっと曲がりにくくなります。お子さんといっしょにためしてみてください。紙を平らに持って、そっと上からおします。次に、同じ紙をはしを下にして立てて持ち、そのはしをおしてみます。ちがいは手ですぐにわかります。
扇おりの橋は、はしを下にして立つ小さなかべでいっぱいで、1つ1つが重さを支えるのを手伝っています。同じ考え方は、おうちのあちこちにあります。
- 段ボール: 段ボール箱のはしをやぶって中を見てみましょう。平らな2まいのあいだに、波うった層があります。扇おりと同じです。
- 金属のやねや、一部のフェンスも、同じ理由で波の形におされています。
- 橋、たな、階段も、平らな板ではなく、おったりすじを入れたりした形にしてあることがよくあります。
「力」や「かたさ」のようなことばを使う必要はありません。「おると紙が立つよ。立った紙は曲がりにくいんだよ」で、たいていのお子さんには十分です。
公平にして、それから難しくする
お子さんにお気に入りの形ができたら、公平にためすとはどういうことか、話してみましょう。
- 同じ種類の紙、本と本のあいだは同じはば、コインはいつも同じ場所に置く。
- 変えるのは1回に1つだけ:形、おり目の数、すき間のはばのどれか。
- 数え方も毎回同じにする。たとえば「落ちる前の、最後の数」。
そのあとで、チャレンジを難しくしましょう。本をもっと遠くにはなす。紙を半分だけ使う。テープは2つまで。大きいお子さんなら、結果を単純な棒グラフ(1つの形に1本)にかいて、勝った形をひと目で見つけるのもいいでしょう。
Dologiでは「ずの とおりに つもう」というパズルで、上から見たずにぴったり合う、つみ木のやまを見つけます。部分がどうやって組み合わさって、がっしりしたものになるのかを考える、もうひとつの方法です。
まとめ
- 2つの本のやまに平らな紙をわたしても、のるコインはごくわずかです。同じ紙でも、おり方しだいでたくさんのせられます。
- 先に予想して、コインを1まいずつ足し、それぞれの橋が支えた最後の数を書きとめます。
- おり目は紙をはしの向きに立たせ、はしの向きの紙はずっと曲がりにくくなります。段ボールと同じ考え方です。
- 1回に1つだけ変えて公平にためし、そのあとでチャレンジを難しくしましょう。
あわせて読みたい:紙のふねにコインは何まいのる?
