お百姓さんが、オオカミとヤギとキャベツを持っていて、3つとも川の向こうへ運びたいと思っています。舟はとても小さく、お百姓さんのほかにはひとつしかのせられません。オオカミとヤギだけにすると、オオカミがヤギを食べてしまいます。ヤギとキャベツだけにすると、ヤギがキャベツを食べてしまいます。どうすれば全部ぶじに運べるでしょうか。
この昔からあるパズルは、何百年も前からたくさんの国で語られてきました。計画を立てること、きまりを守ること、何歩か先を考えることの入り口にぴったりです。7〜8さいくらいの子なら、少し手助けをすればたいてい解けますし、もっと小さい子はお話を動かして遊ぶのが大好きです。
おもちゃで用意する
ものを動かせると、パズルはずっと考えやすくなります。
- 川: スカーフやタオル、青い紙を細長く切ったものを、ゆかやテーブルにおきます。
- 舟: 箱のふた、くつ、小さなお皿など。
- 登場人物: どんなおもちゃでもかまいません。犬のぬいぐるみをオオカミに、ほかの動物をヤギに、緑の紙を丸めたものをキャベツに、人形かつみ木をお百姓さんにします。
始める前に、いっしょにきまりを読み、子どもに自分の言葉で言いなおしてもらいましょう。
- 舟をこげるのはお百姓さんだけ。
- 舟にのれるのは、お百姓さんと、ほかにひとつまで。
- オオカミとヤギだけを残してはいけない。
- ヤギとキャベツだけを残してはいけない。
1回ずつ記録する
子どもが舟を行ったり来たりさせている間、1回ごとにかんたんな表に書いていきましょう。記録すると、何をためしたかおぼえておけるし、同じところをぐるぐる回っていることにも気づけます。
| 回 | 舟の上 | 左の岸 | 右の岸 |
|---|---|---|---|
| はじめ | お百姓さん、オオカミ、ヤギ、キャベツ | ||
| 1 | お百姓さんとヤギ | オオカミ、キャベツ | お百姓さん、ヤギ |
| 2 | お百姓さんだけ | お百姓さん、オオカミ、キャベツ | ヤギ |
| ... |
1回わたるたびに、両方の岸できまりをたしかめます。「食べてしまう相手といっしょに、残されている人はいないかな?」
大事な考え:何かをもどす
多くの子は、はじめはうまく進みます。オオカミはキャベツを食べないので、まずヤギを運ぶしかありません。次にお百姓さんがもどって、オオカミ(かキャベツ)を運びます。ところがここで行きづまります。お百姓さんがもどると、オオカミとヤギが残ってしまうからです。
ひらめきは、舟は何かをつれてもどることもできると気づくことです。解き方のひとつはこうです。
- ヤギを運ぶ。
- ひとりでもどる。
- オオカミを運ぶ。
- ヤギをつれてもどる。
- ヤギを最初の岸に残して、キャベツを運ぶ。
- ひとりでもどる。
- ヤギを運ぶ。
前に進むために、後ろにもどるように見える一歩をふむ。これはとても力のある考え方です。解き終わったら話してみましょう。「ヤギをつれてもどるのは、ふしぎな感じがした?どうしてうまくいったのかな?」
3番目でオオカミではなくキャベツを運んでも、うまくいきます。正しい答えがひとつではないパズルもあると気づく、いい機会です。
やさしい版とむずかしい版
やさしい版(5〜6さい):
- ヤギとキャベツのように、2つだけでためして、きまりになれる。
- お百姓さんが一度に2つ運べることにして、どれだけかんたんになるか見てみる。
むずかしい版(9さいくらいから):
- わたる回数を数える。ちょうど7回でできる?それより少なくはできないと説明できる?
- 4つ目のものをふやしたり、だれがだれを食べるかを変えたりして、まだ解けるかためす。
- 新しい登場人物ときまりで、自分だけの川わたりパズルを作って、大人に出してもらう。
パズルを作るのは、解くよりむずかしいことがよくあります。本当に解けるか、きまりがはっきりしているかを、自分でたしかめなければならないからです。
このパズルに取り組む意味
川わたりパズルでは、いくつもの考える力をいっぺんに練習できます。
- きまりをていねいに守り、 1回ごとにたしかめる。
- 先を考える: 「こうしたら、向こう岸はどうなる?」
- 何がどこにあるかを追いかける。
- やわらかく考える: 一歩もどることも、答えの一部になりうると受け入れる。
Dologiの「はこを おして はこぼう」パズルでも、同じような計画が必要です。すみにおしこんだはこは、もう出せません。だから子どもは、おす前に何手か先を考えるようになります。
まとめ
- おもちゃと「川」でパズルを再現し、子どもがものを動かせるようにしましょう。
- きまりを決めて、1回わたるたびに両方の岸でたしかめましょう。
- 表に記録して、どこまで進んだかを追い、ぐるぐる回らないようにしましょう。
- 大事なのは、何かをもどしてもいいと気づくこと。なぜうまくいくのか話してみましょう。
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