「どうして植物の葉っぱがしおれているの?」小さな子は「かなしいから」と答えるかもしれません。少し大きな子は「だれも水をあげなかったから」と言うでしょう。そして、システムで考えはじめた子なら、こうつけ加えるかもしれません。「週末にでかけていたし、暑かったし、鉢がまどぎわにあるから」。答えがひとつ進むごとに、ものごとのつながりが見えてきます。
システム思考というと大人の話のようですが、中心にある考えはシンプルです。まわりのものはつながっていて、ある場所での変化が、別の場所の変化を引きおこすことがよくあります。この記事では、その考えをやさしいことばで説明し、4歳ごろから毎日の中で子どもと練習できる方法を紹介します。
システム思考とは
システムとは、おたがいに影響しあうもののまとまりです。植物と水と日の光と、世話をする人。朝のしたくをする家族。おもちゃをいっしょに使うクラス。
システム思考とは、ひとつひとつの部分だけでなく、そのつながりに目を向けることです。いくつかのかんたんな習慣でできています。
- つながりを見る: これがおきて、それがあれにつながり、さらに別のことにつながる。
- 原因はひとつとはかぎらない: ひとつの結果には、いくつもの理由が重なっていることが多い。
- めぐりを見る: 結果がもどってきて、原因を変えることもある。
- やる前に考える: 「これを変えたら、ほかに何が変わるかな?」
小さな子も、かんたんな原因にはもう気づいています(「タワーをおしたら、たおれた」)。システム思考はそこから少しずつ育っていきます。
家の中の「つながり」
いちばん始めやすいのは、子どもが自分の目で見られる短いつながりです。
- 植物: 水をやる、土がぬれる、根が水をすう、葉っぱがまたピンとする。
- 水道: だれかが止めわすれる、洗面台がいっぱいになる、水が床にこぼれる、ふかなきゃいけない。
- 階段のおもちゃ: おもちゃが段の上に置きっぱなし、だれかがつまずく、おもちゃがこわれる。
- 氷: 冷凍庫から出す、部屋があたたかい、とけて水たまりになる。
何かがおきたあとに、「それから、どうなった?」、**「その前に、何があった?」**と聞いてみましょう。ひとつの原因を、2つ、3つ、4つとつながる「くさり」にのばす手助けになります。
いっしょに「えいきょうの輪」を描こう
絵に描くと、つながりが目に見えるようになります。紙とえんぴつがあれば十分です。
- 身近な小さなテーマを選ぶ: うちの植物、朝ごはん、ねこ、ランドセル。
- 紙のまん中に描く。
- 「何がひつよう?」「何を変える?」と聞く。 答えをまわりに描いていきます。水、太陽、土、水やりをする人。
- 影響しあうもののあいだに矢印を描く。 矢印の向きは子どもに決めてもらいましょう。
- 「もしも」あそび: 絵をひとつ指でかくします。「1週間お日さまが出なかったら?どの矢印が動かなくなる?」
短く、楽しくがコツです。絵が4つと矢印が4本あれば、5歳の子には十分です。大きい子は絵を足して、まわりの絵どうしをつなぐ矢印も見つけられます。
最初にもどってくる「めぐり」
つながりの中には、出発点にもどってくるものがあります。それが「めぐり」です。毎日の生活から例をとると、子どもはすぐに分かります。
- つかれるめぐり: 夜おそくねる、朝つかれている、したくがおそくなる、一日中あわただしい、夜も気持ちが高ぶって、また早くねられない。
- 助かるめぐり: おもちゃを箱にしまう、次にすぐ見つかる、遊ぶ時間がふえる、また気持ちよく片づけられる。
- なかよしのめぐり: 友だちとおやつを分ける、次は友だちが分けてくれる、ふたりとももっと楽しく遊べる。
めぐりは、矢印がぐるりと回る円で描きましょう。そして**「このめぐりは、どこで止められるかな?」、「このいいめぐりを続けるには、どうしたらいい?」**と聞いてみます。子どもはおどろくほど実際的なアイデアを出すことが多く、自分で考えたアイデアのほうが守りやすいものです。
年齢別の質問
年齢はあくまで目安です。子どもによってちがうので、お子さんの今いるところから始めましょう。
| 年齢(目安) | よくできること | ためしたい質問 |
|---|---|---|
| 4〜6歳 | 目に見えるひとつの原因と結果をつなぐ | 「〜したとき、どうなった?」「もし〜したら、どうなると思う?」 |
| 7〜9歳 | いくつかのステップのつながりを追う、原因がいくつもあると気づく | 「それから?」「ほかに何がかかわっていた?」 |
| 10〜12歳 | めぐりや思わぬ影響に気づく、先を考える | 「これを変えたら、何がうまくいかなくなりそう?」「これは最初にもどってくる?」 |
どの年齢でも役に立つコツです。
- 説明する前に聞く。 まちがっていてもいいので、まず子どもに予想してもらいましょう。
- いっしょにたしかめる。 安全にためせるなら(コップの水を2つ、ひとつは日なた、ひとつは日かげ)、ためしてみます。
- 本当のできごとを使う。 こぼれた飲みものや、切れた電池のほうが、作った例よりよく伝わります。
Dologiでは、「ろんり」と「パターン」の短いパズルで、ルールをひとつのステップから次のステップへとたどっていきます。家で「えいきょうの輪」を描くことは、その一歩ずつの考え方を実際の生活に広げることになります。
まとめ
- システム思考とは、部分をひとつずつ見るだけでなく、ものごとがどう影響しあうかを見ることです。
- 子どもが見られる短いつながりから始めましょう。水、植物、葉っぱ。水道、洗面台、床。
- いっしょに「えいきょうの輪」を描き、絵をひとつかくして「もしも」あそびをしましょう。
- 毎日の「めぐり」について話し、よくないめぐりはどこで止めるか、いいめぐりはどう続けるかを考えましょう。
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