「自転車2台と自動車1台、タイヤが多いのはどっち?」多くの人が、考え終わる前に「自動車!」と答えてしまいます。正解は「同じ」。どちらもタイヤは4つです。
ひっかけ問題にひっかかるのは、頭が急ぎたがるからです。聞きなれた形の問題を耳にすると、すぐに答えにとびついてしまいます。ゆっくりにして、ひとつひとつのことばを聞き、本当は何を聞かれているのかをたしかめる。これはとても大切な考えるくせで、ひっかけ問題はそれを楽しく身につける方法です。
ひっかけ問題がいい練習になるわけ
- よく聞く。 ひっかけは、たいてい小さなことばにかくれています。子どもは、どのことばも大事だと気づきます。
- 答える前に止まる。 「待って、何を聞かれているんだっけ?」は、どの教科でも役に立つくせです。
- 思いこみに気づく。 多くのひっかけは、言われていないことを思いこんでしまうから成り立ちます。
- まちがいを笑える。 ひっかけ問題にひっかかるのはおもしろいことで、はずかしいことではありません。まちがえることへの気持ちが楽になります。
- 算数の文章題。 学校での文章題のまちがいは、問題をよく読んでいないことから起きることがよくあります。ひっかけ問題は、まさにそこをきたえます。
5つのひっかけのタイプと例
ここにある例は、わたしたちが自分で作ったものです。1回目はゆっくり声に出して読み、2回目は早口で読んでみてください。どれくらいむずかしくなるかが分かります。
| ひっかけのタイプ | 例 | 答え |
|---|---|---|
| 聞いているのは別のこと | 「池にアヒルが4わいます。2わがおりてきて、1わがとんでいきました。アヒル1わの足は何本?」 | 2本 |
| 情報がない | 「ある子が赤いふうせんを3つ、黄色いふうせんを2つ持っています。緑のふうせんはいくつ?」 | ひとつもない |
| 多いではなく同じ | 「自転車2台と自動車1台、タイヤが多いのはどっち?」 | 同じ。どちらも4つ |
| 何も変わっていない | 「赤いボールを青い箱に入れました。ボールは何色?」 | 赤のまま |
| ぜんぶ数える | 「ねこが1ぴき、いすにすわっています。足はぜんぶで何本?」 | 8本。ねこが4本、いすが4本 |
1問ごとに、ひっかけについて話しましょう。「どこがむずかしかった? どのことばを聞きのがした?」
やさしく遊ぶコツ
- いっしょに笑う。相手を笑わない。 大人もひっかかります。そう言ってあげましょう。
- ゆっくりもう一度。 まちがえたら、問題をゆっくり読み直して、もう一度考える時間をあげましょう。
- ひっかけを説明する。 勝つことが目的ではありません。問題にどうだまされたのかに気づくことが大事です。
- ふつうの問題もまぜる。 ぜんぶがひっかけだと、子どもは何でもうたがうようになります。まぜておくと、みんなが耳をすませ続けます。
自分で問題を作ってみる
ひっかけ問題を作るのは、答えるよりもっとむずかしいことです。相手がどう考えるかを想像しなければならないからです。いっしょにいくつか作ってみましょう。
- かんたんな事実から始める(「クモの足は8本」)。
- 問題の前に、気をそらすくわしい話を足す(「かべにクモが3びきいます。1ぴきがおりてきて……」)。
- 最後に、かんたんな事実について聞く(「クモ1ぴきの足は何本?」)。
自分で作ったひっかけ問題を、おじいちゃんおばあちゃんやきょうだい、友だちに出すのを、子どもはとても楽しみます。
文章題とのつながり
ひっかけ問題にひっかからないためのコツは、算数の文章題にも役立ちます。
- 問いを見つける。 本当に聞かれているところに線を引いたり、指でさしたりする。
- 自分のことばで言い直す。 「つまり、知りたいのは……」
- 答えと問いを見くらべる。 答えは聞かれたことに合っている? それとも別のことに答えている?
年れい別のアイデア
- 4〜5さいごろ: 「何も変わっていない」「ぜんぶ数える」のひっかけを、本物の物を見ながら。
- 6〜7さいごろ: 「聞いているのは別のこと」「情報がない」のひっかけを、口で出す。
- 8さいごろから: 紙に書いたひっかけ問題、自分で作る問題、そしてコツを文章題に使ってみる。
まとめ
- ひっかけ問題にひっかかるのは、ちゃんと聞く前に答えてしまうから。
- よく聞く力、よく読む力、本当は何を聞かれているかをたしかめる力をきたえられる。
- やさしく遊ぶ:いっしょに笑い、ゆっくり読み直し、ひっかけを説明する。
- 自分で問題を作り、同じコツを算数の文章題にも使う。
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