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こまった場面を子どもと話し合う:正解が一つではないとき

左に子ども、まん中に反対向きの2つの矢印がついた道しるべ、右にはてなマークの入った青いふきだしがあります。

学校で出会う問題の多くには、正しい答えが一つあります。でも、くらしの中はちがいます。公園でおもちゃを見つけた。友だちに、こわしてしまったもののことをないしょにしてとたのまれた。同じ日の午後に、2人の友だちから遊ぼうとさそわれた。どうしたらいいでしょう?

こうした毎日の小さななやみごとを話し合うのは、考える練習にとてもいい方法です。子どもは、一つのできごとをいくつもの方向から見ること、次に何が起こりそうか想像すること、自分のえらんだ理由を説明することを学びます。正解が一つとはかぎらないので、家族みんなで参加できます。

こまった場面が考える力を育てるわけ

  • ほかの人の立場で見る。 「友だちはどんな気持ちかな?」と聞くと、相手の身になって考えられます。
  • 先を考える。 それぞれをえらんだあとに何が起こるかを想像すると、計画する力や、原因と結果を考える力が育ちます。
  • 理由を言う。 まねできる答えがないので、どうしてそれをえらぶのかを説明することになります。
  • ちがう意見を受け入れる。 家族が、ちゃんとした理由でちがうものをえらぶと聞くこと自体に、大きな意味があります。

5つの質問の流れ

とくべつな道具はいりません。場面を一つと、いくつかの質問があれば十分です。じゅんばんに聞いて、子どもにたくさん話してもらいましょう。

ステップ 質問
1. 何が起きている? 「ここでこまっていることは何?」
2. 気持ち 「それぞれの人は、どんな気持ちかな?」
3. できること 「どうすることができる?ほかの方法もある?」
4. そのあとは? 「そうしたら、どうなりそう?」
5. えらぶ 「どれをえらぶ?どうして?」

いちばん大事なのはステップ3です。えらぶ前に、少なくとも2つの方法を考えるようにはげましましょう。一つがふざけた方法でもかまいません。方法どうしをくらべるところで、いちばん考える力が働きます。

場面の例

小さくて、身近で、こわくない場面をえらびましょう。

  • 4〜5さい: 2人とも赤いクレヨンを使いたい。公園で自分のものではないボールを見つけた。友だちがつみ木のタワーがたおれて悲しんでいる。
  • 6〜7さい: 同じプレゼントを2つもらった。クラスの子が遊びのなかまに入れてもらえない。ある友だちと遊ぶやくそくをしたのに、別の友だちからとても楽しそうなことにさそわれた。
  • 8さいくらいから: 友だちに、しかられないように「こわしたのはきみだと言って」とたのまれた。ゲームでずるをしている人を見た。友だちから、心配になるようなひみつを聞いた。

お話も、いい題材になります。読んでいるとちゅうで止まって聞いてみましょう。「この子は、今どうしたらいいと思う?あなたならどうする?」

お説教にならない聞き方

目的は、子どもの考えを聞くことです。正解を教えることではありません。

  • 聞いたら、待つ。 子どもが考えているあいだのだまっている時間は、だいじょうぶです。
  • 大人の考えは、子どものあとに。 理由もいっしょに伝えます。「わたしなら先生に言うかな。なぜなら…」
  • 正直な答えをしからない。 「ボールをもらっちゃう」と言っても、しかるかわりに「そうしたらどうなりそう?持ち主はどんな気持ちかな?」と聞きます。
  • 短く。 夕ごはんや車の中で5分あれば十分です。
  • 演じてみる。 小さい子とは、おもちゃや人形で場面を演じ、いろいろな終わり方をためしてみます。

「正解が一つではない」は「何でもいい」ではない

いくつもの考え方ができる場面があり、それこそが話し合いの意味です。でも、どの家族でもゆるがないことがあります。安全でいること、人をきずつけないこと、何かおかしいと感じたら大人に言うこと。はっきり伝えておくと安心です。「うまくやる方法はたくさんあるよ。でも、人をきずつけるのは、その中に入らないよ。」

子どもは、この2つの考えを同時にもつことができます。いくつかのはっきりしたきまりの中で、自由に方法を考える。それこそが、大人がよい決めごとをするやり方です。

まとめ

  • 毎日の小さななやみごとは、理由を考える力や、ほかの人の立場で見る力のいい練習です。
  • 5つのステップ:何が起きている、気持ち、できること、そのあと、えらぶ。
  • えらぶ前に少なくとも2つの方法を考え、大人は話すより聞くことを多くしましょう。
  • いくつもの答えがありえても、安全と思いやりはゆるぎません。

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