子どもが紙コップでタワーをつくっています。ぐらぐらして、かたむいて、ガシャン。「できない!」と言ったあと、少しして「大きいのを下にしたらどうかな?」。失敗を新しいアイデアに変えるこの瞬間こそ、エンジニアや設計する人、ものをつくる人の仕事の中心にあるものです。
ものをつくる人は、1回目でうまくいくことはめったにありません。やってみて、うまくいかない所を見て、なおして、またためします。子どもは家でのかんたんな工作チャレンジで、この考え方を学べます。そしてそれは工作だけでなく、宿題や遊び、毎日のちょっとした問題にも役立ちます。
ためす、たしかめる、よくする、のくり返し
くり返しには4つのかんたんなステップがあります。
- 少しだけ計画する。 「何をつくる?どうしたらうまくいきそう?」
- つくって、ためす。 まずはさっと1つ目をつくります。じょうずでなくてかまいません。
- たしかめて、よく見る。 うまくいった?どこが、どんなふうにうまくいかなかった?
- ひとつ変えて、もう一度ためす。 そしてまたたしかめます。
目的は、1回目で成功することではありません。1回ごとに少しずつよくなること、そして子どもがその理由を説明できることです。
いちばん高い紙のタワーチャレンジ
この定番のチャレンジに必要なのは、紙を数まい、セロハンテープ、子ども用のはさみだけです。
- チャレンジを伝える: 「10びょう、ひとりで立っていられるタワーを、できるだけ高くつくろう」。
- 1回ごとに時間を決める。 たとえば10分。
- タワーの高さをはかる。 メジャー、ものさし、手のひらの幅でもかまいません。
- 1回ごとに、かんたんな表に書く。
| 回 | 変えたこと | 高さ | どうなった |
|---|---|---|---|
| 1 | 平らな紙をテープでつなぐ | ひくい | すぐにたおれた |
| 2 | 紙をまるめてつつにする | 高くなった | 横にかたむいた |
| 3 | つつ3本で土台を広くする | いちばん高い | 10びょう立った |
表を見かえすと、子どもは自分ののびに気づけます。「紙をまるめたら、じょうぶになったね!」
うまくいかなかった理由を見つける
何かがたおれたり、こわれたりしたら、子どもが探偵になれるよう手伝いましょう。
- 「どこからくずれはじめた?」 下?まん中?つなぎ目?
- 「どうしてそうなったと思う?」 上が重すぎた?土台がせまい?つなぎ目が弱い?
- 「次は何をためしてみる?」 子どもに選ばせましょう。
7さいごろからは、一度にひとつだけ変えるというコツが役に立ちます。3つ同時に変えてうまくいったら、どの変更がきいたのか分からないからです。
ほかの工作チャレンジ
- 紙の橋: 2さつの本のあいだに、できるだけたくさんのコインをのせられる橋をつくります。
- アルミホイルの舟: アルミホイルで舟をつくり、しずむまでにビー玉やコインをいくつのせられるかためします。
- 紙ひこうき: いろいろな折り方をためします。いちばん遠くまで飛ぶのは?いちばんまっすぐ飛ぶのは?
- おもちゃの車のスロープ: 本と厚紙でスロープをつくります。どうしたら車がもっと遠くまで進むかな?
安全はシンプルに。子ども用のはさみを使い、小さな物は口に入れなくなった子だけにし、大人が近くにいるようにしましょう。
失敗は役に立つ手がかり
大人が失敗をどう話すかで、子どもの失敗の受けとめ方が変わります。
- 「あーあ」ではなく、「何が分かったかな?」と聞く。
- よくなったことをほめる: 「2つ目のタワーは1つ目よりずっとしっかりしてたね。何を変えたの?」
- 大人のやりなおしも見せる: 「最初のケーキはパサパサだったから、今回は牛乳を多めにしたよ」。
- やめどきを知る。 イライラが大きくなったら休けいして、あとでまたやりましょう。
Dologiでは、答えがちがっていたときは赤ではなく、やさしい「もういちど やってみよう」で知らせます。また、矢印の命令をならべて車を動かすパズルでは、ためしに走らせると車がどこでかべにぶつかったかがはっきり分かるので、そのステップをなおしてもう一度走らせられます。
まとめ
- ものをつくる人や設計する人は、ためして、たしかめて、よくしていきます。子どももこのくり返しを学べます。
- いちばん高い紙のタワーチャレンジは、1回ごとの記録を表に残しながら練習できるかんたんな方法です。
- うまくいかなかった理由をいっしょに見つけ、一度にひとつだけ変えましょう。
- 失敗を手がかりとして受けとめ、よくなったことをほめ、大人のやりなおしも見せましょう。
