かばんに荷物をすき間なくつめる、駐車場で車まで戻る道を見つける、ソファを部屋に置いたらどう見えるか想像する。大人は名前を意識しないまま、毎日空間認識力を使っています。子どもはこの力を少しずつ、主にあそびの中で育てていきます。どんな力なのかを知っておくと、家での小さな習慣でこの力が伸びる場をたっぷり用意できます。
空間認識力とは
空間認識力とは、形・位置・大きさ・向きを理解し、思いえがく力です。いま目の前にないものも含みます。いくつかの小さな力からできています。
- 位置や関係を表すことば: うえ、した、うしろ、あいだ、ひだり。
- 形と組み合わせ: 三角形2つで四角形になると気づく。
- 頭の中で回す: 回したり裏返したりした形を、同じ形だとわかる。
- 道を見つける: 道順をたどったり計画したりする、かんたんな地図を読む。
- 見る位置を変える: 反対側から見たらどう見えるか想像する。
なぜ大切なの?
- 算数と図形。 図形、はかること、全体の一部として描く分数、数直線は、どれも空間認識力に支えられています。
- 読み書き。 bとdのように鏡に映した形になっている文字を見分けるのは、半分は空間の課題です。
- 毎日の生活。 服を着る(どちらの腕をどちらのそでに)、おもちゃを箱にしまう、道案内に従う。
- 絵をかく、作る。 設計図も模型も工作も、頭の中のイメージから始まります。
うれしいことに、空間認識力は生まれつき決まった才能ではありません。形や積み木、向きを使ってよくあそぶ子どもは、それだけ多く練習していることになり、練習は力になります。
家にあるものでできる活動
- 積み木や箱で作る。 はじめは自由に作り、次にチャレンジを出します。「ひざの高さまでタワーを作れるかな?」「これと同じものを作ってみて」。最初はお手本を見ながら、慣れたら覚えて作ります。
- ジグソーパズル。 大きなピースが少ないものから始めます。かどから、次にふち、それから色ごとに、と作戦も話してみましょう。
- 手作りの迷路。 紙にかんたんな迷路をかき、えんぴつを使う前に指でたどってもらいます。次は交代して、お子さまが迷路をかいてくれます。迷路を作るのは、とくよりむずかしいのです。
- 折り紙と切り紙。 紙を半分に折り、折り目のところで小さな形を切って「開いたらどんな形かな?」とたずねます。先に予想してから開きます。左右対称と予想する力の練習になります。
- 宝さがしのヒント。 おもちゃをかくし、位置のことばでヒントを出します。「やわらかいものの下にあるよ、窓のとなり」。
- 懐中電灯でかげあそび。 暗い部屋で手やおもちゃのかげを作ります。光に近づけたり遠ざけたりすると、大きさはどうなるでしょう?
- 部屋の地図をかく。 自分の部屋を上から見たようにかいてもらいます。ベッドはどこ? ドアは? 部屋を見ることから、間取り図としてかくことへは大きな一歩です。
年齢に合わせた活動
育ちのペースは一人ひとりちがうので、下はおおよその目安です。
| 年齢(目安) | 合う活動 |
|---|---|
| 4〜5歳 | 自由な積み木、大きなピースのパズル、あそびの中で位置のことばを使う、指でたどるかんたんな迷路 |
| 6〜7歳 | 積み木のお手本をまねる、えんぴつで迷路、折って切る、宝さがしのヒント |
| 8〜10歳 | 覚えて積む、地図をかく、迷路を作る、何回か折ったあとの形を予想する |
あそびながら空間のことを話す
使うことばで、ちがいが生まれます。「そこに置いて」ではなく「赤い積み木の上に、小さいののとなりに置いてね」と言ってみましょう。想像をうながす質問もおすすめです。
- 「このピース、回したら入るかな?」
- 「テーブルの下から見上げたら、どう見えるかな?」
- 「ドアまで、どっちの道が近い?」
お子さまが試してまちがえても大丈夫です。パズルのピースを5回回してやっと入る、それこそが力になる練習です。
Dologiの「くうかん」のテーマには、ブロックを盤にはめる、回したブロックを見分ける、迷路で道を見つけるといった短いパズルがあります。家で実際に積んだり折ったりする活動といっしょだと、いちばん効果的です。
まとめ
- 空間認識力は、形・位置・向きを理解し、思いえがく力です。
- 算数、文字、毎日の生活、ものづくりを支えます。
- 積み木、パズル、手作り迷路、折り紙、部屋の地図で手軽に練習できます。
- 位置のことばをはっきり使い、お子さまが回したり試したり直したりする時間をあげましょう。
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