きのうはことばのつづりも、5とびの数え方も、惑星の名前も全部言えたのに、今日は何も覚えていない。がんばったのがむだだったように感じたり、ちゃんと聞いていなかったのかなと思ったりしがちです。でも、忘れることは子どもにとっても大人にとっても、学びのふつうの一部です。助けになるのは長く勉強することではなく、正しいやり方でもう一度取り出すことです。
子どもが忘れる理由
- 記憶は使うたびに強くなる。 1回だけ、一度に見たことは、すぐにうすれます。
- 「見てわかる」と「思い出せる」はちがう。 ページを見て「これ知ってる」と思うのは、本をとじて思い出すよりずっとかんたんです。
- 新しいことには引っかかりが必要。 子どもがすでに知っていることとつながった情報は、もどってくる道が多くなります。
- つかれた頭はあまり入らない。 休みやねむりは、学んだことを残すのに役立ちます。
1. 間をあけてもう一度
記憶の研究では昔から、何日かに分けて少しずつふり返るほうが、一度にたくさんふり返るより長く残ることがわかっています。1回のふり返りはとても短くてかまいません。
| いつ | 何をする | どのくらい |
|---|---|---|
| その日のうちに | 夕ごはんやねる前に話題にする | 1〜2分 |
| 次の日 | 短い質問か、小さなあそび | 2〜3分 |
| 数日後 | 別のやり方でもう一度使う | 3〜5分 |
| 1週間くらいあと | 予告なしに、あそびとして確かめる | 2〜3分 |
かんたんに思い出せたら、次の間はもっとあけてかまいません。むずかしかったら、早めにもどりましょう。
2. 読み返すより、思い出してもらう
記憶から取り出すことは、もう一度見るより記憶を強くします。本をとじて聞いてみましょう。
- 「きのう覚えた新しいことば3つ、なんだっけ?」
- 「たねが育つようすで、覚えていることを絵にかける?」
- 「けさ、お金をどうやって数えたか、もう一回見せて」
つまったら、答えを全部言わずに小さなヒントを。少し考えてから思い出せた体験が、記憶を長持ちさせます。
3. 子どもに教えてもらう
子どもは、自分のことばで説明すると、よりよくわかり、より長く覚えます。大人やきょうだい、ぬいぐるみに教えてもらいましょう。わからない生徒の役になって「待って、どうしてそれが先なの?」と聞いてみます。わかっていないところがすぐに見え、そこをうめることも学びです。
4. すでに知っていることとつなげる
- くらしとつなげる。 天気についての新しいことばが「公園に行ったあの日みたいな日」になります。
- 絵にする。 考えを絵にかいたり、思いうかべたりしてもらいます。ことばと絵がいっしょだと、記憶をさがす道が2つになります。
- 小さなお話にする。 ものの一覧は、お話の中で起こると覚えやすくなります。
- きまりを見つける。「ほかに同じ終わり方のことばは?」。きまりがわかれば、10こではなく1つを覚えればすみます。
5. ねむりと休けいを大切に
勉強のあいだの短い休けいも、夜のしっかりしたねむりも、記憶を助けます。ねる前に短くふり返り、次の朝にもう一度見るのは、多くの家庭で続けやすいリズムです。夜おそくまであわてて詰めこむのは、たいていその逆になります。
思ったほど役に立たないこと
- 同じページを何度も読む。 ページになれるので勉強した気になりますが、大事なのは思い出せるかどうかです。
- 一度に長くやる。 ある程度すぎると、時間をふやしてもあまり変わりません。別の日に短く2回のほうが効くことが多いものです。
- 答えを全部やってあげる。 早いのですが、子どもが自分で記憶を取り出すチャンスがなくなります。
1週間の例:新しいことばを5つ覚える
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 月曜日 | ことばと出会う:声に出す、絵にかく、それぞれで文をつくる |
| 火曜日 | 本をとじて:「5つのうち、いくつ思い出せる?」 |
| 水曜日 | 子どもがおもちゃにことばを教える |
| 木曜日 | このことばはお休み |
| 金曜日 | 当てっこあそび:大人が説明して、子どもがことばを言う |
| 次の月曜日 | あそびとして、ぬき打ちで確かめる |
相談したほうがいいとき
どの子も忘れることはあり、記憶力は長い年月をかけて育ちます。同じ年ごろの子とくらべて思い出すことがずっとむずかしそうで、それがいろいろな場面で長く続くようなら、先生や、全体のようすを見てくれる専門家に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
- 忘れるのはふつうのこと。記憶は使うたびに強くなります。
- 何日かに分けた短いふり返りのほうが、長い1回より効果的です。
- 読み返すより、思い出して説明してもらいましょう。
- 新しいことを絵、お話、くらしとつなげ、ねむりを大切に。
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