タワーが何度もくずれる。くつが片方見つからない。2人が同じおもちゃをほしがる。こんな小さな困りごとは1日中起こり、いちばん早いのは大人が片づけてしまうことかもしれません。でも、小さな困りごとの1つひとつは、お子さまが一生使う力を練習するチャンスでもあります。うまくいかないときに、どうすればいいかを見つける力です。
問題解決力が大切な理由
問題解決を練習してきた子どもは、
- 自信がつきます。 自分で道を見つけられると経験しているからです。
- 自分でできることがふえます。 だんだん手助けがいらなくなります。
- イライラとうまくつきあえます。 問題は大変なことではなく、取り組むものだと感じられるからです。
- やわらかく考えられます。 同じことをくり返さず、ちがうやり方をためします。
子どもにもわかる4つのステップ
同じ4つのステップを、習慣になるまで何度も伝えましょう。
| ステップ | 問いかけ | 例:タワーがくずれる |
|---|---|---|
| 1. 何がこまっているの? | 「なにがうまくいかないのかな?」 | 「高くするとタワーがくずれる」 |
| 2. 何をためせる? | 「アイデアをいくつか考えよう」 | 「大きい積み木を下に。ゆっくり積む。じゅうたんじゃなくて床で積む」 |
| 3. 1つためす | 「どれからやってみる?」 | 「大きい積み木を下に」 |
| 4. うまくいった? | 「どうなった? つぎはどうする?」 | 「高くなった! まだ少しぐらぐらするから、床にも移そう」 |
ステップ1はとばされがちですが大切です。困っていることをことばにすると、気持ちが落ち着き、問題が小さく感じられます。ステップ2は、どれがいいか決める前に、おかしなものもふくめてアイデアをたくさん集めるとうまくいきます。
練習にぴったりな毎日の場面
| 場面 | 問いかけ |
|---|---|
| くつが片方ない | 「最後にはいていたのはどこ? どこにありそう? どこからさがす?」 |
| 2人におもちゃ1つ | 「2人とも順番に遊ぶには、どうしたらいいかな?」 |
| おもちゃ箱がしまらない | 「どうしてしまらないのかな? 何を変えられる?」 |
| 絵がにじんじゃった | 「何があったのかな? つぎはどうしたらふせげる?」 |
| 朝いつもおくれる | 「朝は何で時間がかかるのかな? 前の晩に何を用意できる?」 |
代わりにやらずに手助けするには
- 助ける前にひと呼吸。 心の中で10数えましょう。少し待てば、自分で解決策を見つける子はたくさんいます。
- 教えるより、聞く。「何をためしてみた?」「ほかに何ができそう?」のほうが「こうやるんだよ」より役に立ちます。
- 小さい子には選択肢を。「大きい積み木でやってみる? それとも床で積む?」
- 小さな失敗をさせてあげましょう。 うまくいかなかった計画は負けではなく、情報です。「うまくいかなかったね。何がわかった?」
- やり方をほめましょう。「えらいね」より「3つためして、1つうまくいったね」のほうが伝わります。
- 危ないときや、イライラが大きすぎるときは手を貸しましょう。いっしょに解決して、あとでステップをふり返ってもかまいません。
問題解決力を育てるあそび
- もし〜だったらどうする? 「公園で雨がふってきた」「友だちの家で飲みものをこぼした」など小さな場面のカードを作り、アイデアを話し合います。
- 紙の橋。 紙1まいで、本2さつのあいだにおもちゃの車がのる橋をかけられるかな? いろいろな折り方をためすと、答えがたくさんあることがわかります。
- ピクニックの計画。 何を持っていくか、どう運ぶか、雨がふったらどうするかを、お子さまが決めます。
- お話をなおそう。 絵本を読んで、困ったことが起きたところで止め、「あなたならどうする?」と聞いてから、登場人物がしたことと比べます。
- パズルやなぞなぞ。 どんなパズルも、気持ちのいい結末がある小さな問題です。
年齢に合わせて
年齢はおおよその目安で、一人ひとりちがいます。
- 4〜5歳ごろ: 手伝ってもらいながら困りごとをことばにし、2つのアイデアから選んでためす。
- 6〜7歳ごろ: いくつかアイデアを出し、1つためして、うまくいったか気づく。
- 8〜10歳ごろ: 前もって計画し、何がうまくいかないかを考え、やり方を比べて選んだ理由を説明する。
まとめ
- 毎日の小さな困りごとは、すばらしい練習です。すぐに全部片づけたくなる気持ちをがまんしましょう。
- 4つのステップを使いましょう。何がこまっているの、何をためせる、1つためす、うまくいった?
- 問いかけ、小さい子には選択肢をあげ、小さな失敗をさせてあげましょう。
- やり方をほめ、答えがいくつもあるあそびをしましょう。
