毎晩読み聞かせをしながら、「ちゃんとわかっているのかな」と思う親は少なくありません。子どもは1冊最後まで聞いていても、「どんなお話だった?」ときかれると「わかんない」と答えることがあります。聞いていなかったわけではありません。お話についていくには、たくさんのことを同時に覚えておく必要があります。だれが出てくるか、何をしたいのか、何が先に起きて、何があとに来たのか。ちょうどいいところでいくつか問いかけるだけで、読み聞かせが会話になり、まさにその力を練習できます。
読む前に:表紙を見る
本を開く前に、1分だけ表紙をながめましょう。
- 「表紙に何が見える?」 絵のようすを子どもに話してもらいます。
- 「どんなお話だと思う?」 どんな予想でもかまいません。わくわくすることが目的です。
- 「〜したこと、ある?」 表紙にピクニックや雨の日、新しいペットがかかれていたら、子ども自身の体験をきいてみましょう。お話と自分の生活がつながると、ついていきやすくなります。
短くていいのです。問いかけは2つか3つで十分。主役はお話です。
読んでいるとき:テストではなく、ひと息
毎ページ止まると、お話がテストになってしまいます。びっくりすることが起きたときや、ページをめくる前など、自然な区切りを2、3か所えらびましょう。
- 「このあと、どうなると思う?」 先を予想するのは、理解をたすけるとても役に立つ習慣です。読んだあとでいっしょにたしかめます。「当たった?ほんとうはどうなった?」
- 「いま、どんな気持ちだと思う?」 絵の中の顔をいっしょに見ましょう。お話と、気持ちに名前をつけることがつながります。
- 「どうしてそうしたのかな?」 理由をたずねると、お話の出来事がただ順番に起きているのではなく、つながっていることに気づけます。
- 「このことば、どういう意味?」 新しいことばが出てきたら、かんたんに説明するか、まず絵から想像してもらいましょう。
子どもが自分から質問して話をさえぎるのは、いいサインです。答えるか、「どう思う?」と問い返してみましょう。
読んだあとで:お話をもう一度話す
お話を自分で話し直すと、どこまでわかったかが見えます。練習するほど上手になる力です。
- はじめ、なか、おわりから。 「最初に何があった?それから?最後はどうなった?」
- 絵を使う。 もう一度ページをめくり、文字を読まずに絵を見ながらお話をしてもらいます。
- 絵にかく。 はじめ、なか、おわりの小さな絵を3枚かいてもらい、順番にならべます。
- ひとつ変えてみる。 「もし雨だったら?何がちがったかな?」こうした問いで、お話のしくみがわかっているかが見えてきます。
- 子どもが読む人になる。 小さな子は、まだ字が読めなくても、知っている本を大人やぬいぐるみに「読んで」あげるのが大好きなことがよくあります。
年齢別の問いかけ
おおよその目安です。子どもによってちがいます。
| 年齢(目安) | ためしたい問いかけ |
|---|---|
| 4〜5歳 | 「これはだれ?」「何をしているの?」「つぎはどうなる?」 |
| 5〜7歳 | 「どうしてそうしたの?」「どんな気持ち?」「最初に、つぎに、最後に何があった?」 |
| 7〜10歳 | 「このお話で困ったことは何で、どうやって解決した?」「あなたならどうする?」「いちばん大事な場面はどこ?それはなぜ?」 |
ひとりで読めるようになっても、読み聞かせは続けましょう。自分で読む本より少しむずかしい本をいっしょに楽しみ、話し合うことができます。
楽しい時間のままに
- 問いかけは多すぎるより少なめに。 子どもがため息をつきはじめたら、質問はやめて読むだけにしましょう。
- 正直な答えはどれも受けとめる。 「わかんない」には、すぐ正すより「もう一回、絵を見てみようか?」と返します。
- 同じ本をくり返し読む。 子どもは同じお話を何度もせがむものです。読むたびに新しいことに気づき、話し直すのも楽になります。
- 自分の考えも話す。 「どうして鳥は飛んでいっちゃったのかな。こわかったのかな?」考えを声に出すと、読み手がどんなふうに疑問をもつのかを子どもに見せられます。
Dologiの「きく」には、「きいて ひこう」のような短い音のパズルがあります。短いメロディーを聞いて、同じ順番でひきなおします。お話についていくときと同じ、ていねいに聞く力と順番を覚える力を使います。
まとめ
- 読む前に、いっしょに表紙を見て、どんなお話か予想する。
- 読んでいるときは2、3回止まって、続きを予想し、気持ちを話し、「どうして」ときく。
- 読んだあとは、絵や子どもの絵を使って、はじめ・なか・おわりを話し直す。
- 問いかけは少なく、やさしく。お気に入りの本はくり返し読む。
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